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奥野:そうですね。「先生にはいつもお世話になってるんですよ」とかって話しかけられたり…。だいたいの患者さんは、僕が横にいてもいなくても関係ないように普通にされてて、こちらもあまり気を使わなくて済んで、いやすい感じでした。往診に行っても、僕にも一緒にお茶を出してもらったり、ウェルカムな雰囲気でした。

--奥野さんは現在、2年目の研修医ということですが、研修の環境として、多くの学生が進む大学病院ではなく、市民病院を選ばれたのはなぜですか?

奥野:難しい疾患に関する医学研究が主体の大学病院での研修で1、2年を送るよりも、臨床の現場できちんとしたトレーニングできるところに行かないと、臨床の実力はつかないんじゃないかなと思ったことが一番の理由です。もう一点は、学生生活が長くなり親に経済的負担をかけてしまったので、早く自立したいと思ったから。大学の研修医に比べ、市民病院の方がお給料ははるかにいいのです。今は自活してやっていくのに十分なお給料をもらっています。

--すでに研修医として勤めていながら、今回、どうして研修を受けようと思ったのでしょうか?

奥野:家庭医というものに関心があったんです。地域にしっかりと根差し、そこに住む人達と家族的なつきあいの中、「何でも診ましょう」という感じでケアするのが、個人的にいいなぁと興味が湧きまして…。ホームページを見たり知人を通じて松村先生の存在を知り、研修をお願いしたわけです。


--松村医院を選んだ一番の決定打とは?

奥野:松村先生は臨床に密着した形での研究もしておられたり、自らの経験だけに頼るのではなく、海外の文献などからも情報を得ながら医療に取り組んでいることを知り、「これは普通の開業医の先生とは違うぞ。実際にお会いしてぜひ学ばせていただきたい!」と思ったのです。多岐に渡る業務をどのようにこなしておられるのだろう?、なぜ研究などもしておられるのだろう?、といろいろ興味が湧きました。
 2日間、同行させていただいて、医院での診療、訪問診療、さらに研究と、非常にお忙しいスケジュールながら、時間を工夫してフルに働かれている様子が垣間見れました。特に開業医をしていると、ドクターの仕事だけでなく経営者としての役割も担わなければならない、その大変さも感じましたね。


--奥野さんが一番興味を持った“家庭医”という点では、学びがありました?

奥野:ええ。松村医院が世田谷区上野毛という地域に根差した医療活動をしているということは、すごくよくわかりました。同じ地域に住んでいる人と道で出会えば、「おばちゃん、ゲンキ? 最近、体調どう?」みたいな会話の延長に、医院が存在しているといった印象で…。松村先生の診療される様子や患者さんとの会話を横で伺っていると、長いおつきあいの中で確かな信頼関係ができていることを感じました。先生は患者さんの病歴はもちろん、性格やご家族のことなどもよくわかっているし、患者さんも先生を信頼して気軽に何でも相談できるんだな、と…。
 上京する前、東京というのは人と人とのつきあいが希薄なイメージがあったんですけど、この2日間でそのイメージはガラッと変わりましたね。島根から来ても違和感がないというか、地方の片田舎での医療活動とほとんど変わらないなという印象を受けました。


--患者さんの立場から見た“家庭医”として、松村医院のどんなところが魅力だと感じましたか?

奥野:文字通り家庭的な雰囲気の小さな医院だというのと、松村先生のお人柄もあるのでしょうが、患者さんがすごく来やすいんだなと思いました。一見すると、大病院に行きそうな(クールな)感じの若い子も来ていたり…。知人の病気のお見舞いに行ったら自分もその病気が心配になったからと、終了間際の午後9時頃にパジャマで来ちゃった人がいたんですけど、普通だったらそんなことで来ないだろう!?って思いましたもん(笑)。
他の病院の先生にはなかなか相談できないようなことも、心許して信頼している“かかりつけ医”だからこそできるんでしょうね。それくらい気軽に診てもらいやすいというのは、一般の病院じゃ、あり得ないんじゃないかと思います。それに、専門に関わらず、あらゆる病気に関して診てもらえるというのも、患者さんにとって心強いのでは?


--なるほど。実際のところ、松村医院にはいろんな病気の人が来るんでしょうか?

奥野:そうですね。めったにない病気、難しい病気なども含めて、あらゆる病気の人が来ていました。でも、松村医院でフルに面倒を見るとか、完璧に治さなきゃとは思ってなくて、例えば難しい病気の場合、初期症状が出ますのでその場で判断のつくこともあれば、ちょっと疑わしいという時は経過を追って調べて、そうらしいとわかった時点でしかるべき専門の先生につなぐようにしているということがわかりました。言ってみれば、患者さんと病院の先生との橋渡しと潤滑油的な役割を担っているという感じかなぁ。そうした役割を果たしたうえで、患者さんにとってつねに適切な医療が提供できていればそれがベストだと思うんですよ。

松村:時々あるんですが、紹介した先生と患者さんとのコミュニケーションがうまくいかないということがあれば、患者さんのお話を聞いて不信感や誤解を解いたりすることもありますし、またその病気以外で風邪などの軽い問題であれば、遠くの先生のところまで行くことはないわけで、そういう人は松村医院で診たりしていますし…。そんなふうに、病院と地域の患者さんとの間をつないでいくのが僕の仕事だと思っています。



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